金融ADR有識者会議報告書に関するコメントを公表しました。

「『金融ADR 制度のフォローアップに関する有識者会議』における議論の取りまとめ」について

 

標題有識者会議において真摯にご検討いただき、種々のご提言を頂いたこと、また、金融ADR制度について、利用者保護に一定の役割を果たしているとの評価をいただいたことに感謝申し上げます。 

種々のご提言に対しては、金融ADR機関等との連携強化を含め今後適切に対応し、利用者の信頼性向上に取り組む所存でありますが、評価及びご提言に対する、当保険オンブズマンにおける主な現在の取組み、及び今後の取組み方針等について、以下のとおり表明します。

当保険オンブズマンでは両当事者の互譲により紛争を解決することを基本としています。そのため、申立人、保険会社双方の主張を調停委員が直接聴取することを原則としています。面談の割合は低いものの、申立人に関しては、基本的に複数回調停期日を設けている中で、申立人の負担への考慮及び調停委員の判断により、ほとんどの事案で電話会議システムを利用し、直接、調停委員が事情を聴取しています。

また、特別調停案については、それが必要な局面において適切に活用できる態勢を確保していますが、当保険オンブズマンでは極力両当事者に歩み寄りを促し、和解による解決を目指しておりますので、結果、特別調停案の提示は1件にとどまっています。

業務の開示について、現在、苦情件数、終了した紛争解決手続等の事案の概要を開示しております。今後、終了した紛争解決手続等の事案の概要について、その開示の早期化を図るほか、当局に提出している業務報告書の一部の内容を開示し、業務全般の実施状況を開示する方向(開示内容の充実)で検討いたします。

また、利用者アンケートに関しては、実施を検討中でしたが、終了した紛争解決手続の案件数が30件程度に達したことから、次年度において、不調案件を含む終了したすべての紛争解決手続の案件について実施する予定です。

さらに、業務の運営状況については、外部の有識者からなる運営委員会で検証することとしていますが、運営委員会の意見・助言がより迅速に運営に反映するよう、運営委員会の開催頻度を増やすなどの方策を検討いたします。

苦情・紛争データ分析結果等の業界へのフィードバックについては、保険会社サイドからも求められていることから、早急に実施することといたします。内容に関しては、四半期ごとに事務局と保険会社等との情報交換会を開催するほか、会員全社に対するニューズレターの発行も検討いたします。